グラセプター副作用

グラセプターは、タクロリムス水和物が主成分の、免疫抑制剤です。
カプセルタイプ等があります。
グラセプターは、アステラス製薬株式会社により製造・販売されております。

免疫抑制剤グラセプターカプセル(タクロリムス水和物)の主な副作用としては、サイトメガロウイルス感染、クレアチニン上昇、BUN上昇、β2ミクログロブリン上昇、尿酸上昇、尿蛋白陽性、血糖上昇、HbA1c上昇及びクレアチニン上昇、発熱、鼻咽頭炎などが報告されております。

類薬であるプログラフカプセルの主な副作用には、対象疾患により以下の症状が報告されております。

移植の方
感染症、腎障害、高血糖、肝機能異常、高尿酸血症、高カリウム血症、胸痛、クレアチニン上昇、BUN上昇等

重症筋無力症の方
鼻咽頭炎、白血球増多、高血糖、下痢、尿糖、リンパ球減少等

関節リウマチの方
BUN上昇、クレアチニン上昇、腹痛、下痢、悪心、HbA1C上昇、血糖上昇等

ループス腎炎の方
尿中β2ミクログロブリン増加、尿中NAG増加、鼻咽頭炎、高尿酸血症、白血球増多、クレアチニン上昇、下痢、血圧上昇、高血糖等

潰瘍性大腸炎の方
振戦、低マグネシウム血症、ほてり、尿中NAG増加各、感覚異常、尿蛋白、高血糖、悪心等

グラセプターカプセルの副作用としては、以下の様な項目や症状等が想定されています。

重大・重篤なレベルのものとしては、以下の様な事項の症状が想定されております。
重大な副作用一覧
副作用名称 想定症状など
心不全 息苦しい、むくみ、頻尿、起座呼吸(起き上がって深く急な呼吸)、疲労感、体力の低下、眠気、錯乱、見当識障害、足、足首、脚、肝臓、腹部に体液がたまり腫れる・むくみが出る、吐き気、食欲不振、息切れ、あえぐ、喘鳴(ぜんめい)等
不整脈 胸痛、胸部不快感、動悸、めまい、失神等
急性腎不全 尿量減少、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛、吐き気、下痢、脱力感、関節の痛み、頭痛、顔や手足のむくみ、息苦しい、意識の低下等
ネフローゼ症候群 大量のたんぱく尿、尿の泡立ち、高度の浮腫、まぶたや下肢のむくみ、胸水、腹水、心嚢水、息切れ、呼吸困難、吐き気、嘔吐、体重増加、免疫力低下
心筋梗塞 突然の左前胸部圧迫感、狭心痛、嘔吐、吐き気、ショック状態等
心膜液貯留 頻脈、胸の痛み、息切れ、動悸、発熱、吐き気、嘔吐、痙攣(けいれん)等
心筋障害 息切れ、呼吸困難、動悸、むくみ、疲れやすい、胸部圧迫感、めまい、失神発作等
狭心症 30分程度以内の胸の広い範囲の痛み、息が詰まる様な痛み、圧迫される様な痛み、運動・坂道・階段・重い荷物を持つ等、運動量の増加に伴う胸の痛み等
可逆性後白質脳症症候群(RPLS) 高血圧、頭痛、覚醒低下、意識障害、痙攣(けいれん)、皮質盲を含む視力障害、後頭及び頭頂葉領域を中心に広範囲な浮腫性病変等
高血圧性脳症 後頭部から後頸部にかけての激しい頭痛、悪心・嘔吐、興奮、痙攣(けいれん)、意識障害、両側性の視力低下、不安感、失見当識、昏睡状態、全身の強直性痙攣(けいれん)、クレアチニン値の上昇等
汎血球減少症 全身がだるい、階段等を上る際の息切れ、動悸、頭重、頭痛、めまい、鼻血、耳鳴り、皮下出血、歯茎の出血等
血小板減少性紫斑病 皮膚や粘膜等の出血症状・紫斑(しはん)・青アザ、歯ぐきからの出血、鼻血、黒い便、血尿、月経過多等
脳血管障害 手足に力が入らない、手足のしびれ、麻痺、重いめまい、激しい頭痛、ろれつが回らない、言葉が一瞬出なくなる、ものが二重に見える、歩行困難、言語障害、顔半分が麻痺、片目が見えない、寝たきり、失語、失認、失行、半側空間無視、意識障害等
血栓性微小血管障害(TMA) 貧血、血小板減少、血清クレアチニン濃度の上昇、発熱、下痢、乏尿、浮腫、出血斑、頭痛、傾眠、不穏、痙攣、血尿、蛋白尿等
無顆粒球症 発熱、咽頭痛、倦怠感、口内炎等
溶血性貧血 赤い尿、皮膚や白目が黄色くなる、発熱、貧血等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱、陰部の痛み、関節の痛み、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、発熱、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点、赤い発疹、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、食欲不振、からだがだるい等
呼吸困難 息切れ、心臓の脈拍が上がる、胸部の痛み、手足が冷たい、倦怠感等
赤芽球癆(せきがきゅうろう) 全身がだるい、頭重、頭痛、めまい、耳鳴り、階段や坂を上る際に動悸や息切れがする、貧血等
イレウス(腸閉塞症) 便秘、腹痛、増強する腹部膨満感、吐き気、悪心、嘔吐、排便・排ガスの途絶、間欠的または持続的な痛み等
感染症 敗血症、肺炎等の重篤な感染症、風邪などが酷くなる、発熱、喉の痛み、口内炎、咳・痰が出る、水脹れ、発疹、頻尿等
肝機能障害 倦怠感の増大、食欲低下、呼吸困難、吐き気、常に眠い、黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇等
黄疸 嘔気・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒等、皮膚・白目が黄色くなる、下痢、全身の脱力感、38〜39度の発熱、ぶつぶつ状の発疹等
進行性多巣性白質脳症(PML) 半盲等の視覚障害、片麻痺、精緻運動障害(字が書けない、紐を結べない、細かな動作が出来ない)、失語、失認、痙攣(けいれん)発作、見当識能力の低下等
膵炎 胃周辺の急な激しい痛み、吐き気、背中の痛み、嘔吐(おうと)等
糖尿病 頻尿、多尿、喉の渇き、口の渇き、食欲亢進、倦怠感、目が霞む、血管障害、神経障害、感染症等の重大な合併症等
BKウイルス腎症 自覚症状に乏しい。腎機能悪化、尿細管上皮細胞の腫大、同質性腎炎等
リンパ腫 体重減少、全身のリンパ節の腫れ、発熱、食欲不振等
高血糖 のどが渇く、身体がだるい、尿量の増加、空腹感、皮膚が乾燥し痒い、風邪を引き易い、傷の治りが遅い等

上記の様な症状が現れた場合には、速やかに医師か薬剤師と相談してください。

重大な副作用は、滅多にありませんが、投薬開始時の初期症状には、注意が必要です。

その他のものとしては、以下の様な事項が想定されております。
その他の副作用一覧
部位名称等 副作用名称、症状
循環器 血圧上昇、浮腫、頻脈、動悸、心電図異常、血圧低下、徐脈
精神神経系 振戦、運動失調、幻覚、しびれ、不眠、失見当識、せん妄、不安、頭痛、感覚異常、めまい、眼振、外転神経麻痺、四肢硬直、傾眠、意識混濁、うつ病、興奮
腎臓 腎障害(BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、尿蛋白)、尿量減少、血尿、多尿、頻尿、残尿感
代謝異常 高カリウム血症、高尿酸血症、低マグネシウム血症、CK(CPK)上昇、アシドーシス、高コレステロール血症、高リン酸血症、低リン酸血症、高クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、低蛋白血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、尿糖
消化器 胸やけ、消化管出血、腸管運動障害、食欲不振、下痢、腹痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸炎、口内炎、悪心、嘔吐、腹部膨満感、下血
膵臓 アミラーゼ上昇
皮膚 発疹、紅斑、そう痒、脱毛
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇)
血液 好中球減少、貧血、血小板増多、血小板減少、白血球増多、白血球減少、リンパ球減少
その他 口渇、冷感、胸水、腹水、ほてり、月経過多、咽喉頭異和感、筋肉痛、関節痛、喘息、疼痛、発赤、眼痛、多汗、発熱、全身倦怠感、体重減少、味覚異常
過量投与 悪心、手振戦、BUN上昇、クレアチニン上昇、肝酵素上昇等

上記は、あくまで主要なものであり、全てを記載したものではありません。

上記以外でも、気になる症状がある場合には、医師か薬剤師と相談してください。

また、持病やアレルギーのある方は、本薬との併用に際して医師か薬剤師と相談してください。

以下の方は、基本的に禁忌です。

・シクロスポリン又はボセンタン投与中の方
・カリウム保持性利尿剤投与中の方
・妊婦又は妊娠している可能性のある方
・本剤の成分に過敏症の既往歴のある方

以下の薬剤との併用は、基本的に禁忌です。

・ボセンタン
 ・トラクリア
・カリウム保持性利尿剤
 ・スピロノラクトン
  ・アルダクトンA
  ・アルマトール
 ・カンレノ酸カリウム
  ・ソルダクトン
 ・トリアムテレン
  ・トリテレン
・生ワクチン
 ・乾燥弱毒生麻しんワクチン
 ・乾燥弱毒生風しんワクチン
 ・経口生ポリオワクチン等
・シクロスポリン
 ・サンディミュン
 ・ネオーラル

本剤をご利用される方は、医師から本剤についての説明を聞き、その有効性と危険性等を十分ご認識の上、ご利用ください。


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