ドセタキセル副作用

ドセタキセルは、ドセタキセル水和物が主成分の、タキソイド系抗悪性腫瘍剤です。
ドセタキセルは、サノフィ株式会社により製造・販売されております。

タキソイド系抗悪性腫瘍剤ドセタキセル(ドセタキセル水和物)の主な副作用には、悪心・嘔吐、脱毛、食欲不振、全身倦怠感、発熱、下痢、感染症、白血球減少、好中球減少、ヘモグロビン減少、血小板減少、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、BUN上昇などがあります。

ドセタキセルの副作用としては、以下の様な項目や症状等が想定されています。

重大・重篤なレベルのものとしては、以下の様な事項の症状が想定されております。
重大な副作用一覧
副作用名称 想定症状など
肝機能障害 倦怠感の増大、食欲低下、呼吸困難、吐き気、常に眠い、黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇等
黄疸 嘔気・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒等、皮膚・白目が黄色くなる、下痢、全身の脱力感、38〜39度の発熱、ぶつぶつ状の発疹等
骨髄抑制 汎血球減少、白血球減少、好中球減少(発熱性好中球減少を含む)、ヘモグロビン減少、血小板減少、貧血、出血、発熱、悪寒、口中の白い斑点、点状出血(手足の赤い点)、紫斑、鼻血、歯茎の出血、水便、脱力感等
ショック 血圧低下に伴う失神、意識消失、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、冷感、嘔吐、顔が赤くなる、痒み、蕁麻疹(じんましん)、しびれ、動悸、息切れ等
アナフィラキシー様症状 紅斑、悪寒、口腔咽頭浮腫、口内の違和感、かゆみ、くしゃみ、顔面紅潮、熱感、吐き気、嘔吐、尿意、便意、そう痒感、全身発赤、顔面・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下、喘鳴、血管浮腫、不快感、眩暈、耳鳴、発汗等
肝不全 黄疸、出血傾向、腹水、脱力感、肝性脳症、全身の健康状態の悪化、吐き気や食欲不振等
急性腎不全 尿量減少、尿が赤みがかる、眼がはれぼったい、疲れやすい、からだがだるい、腹痛、吐き気、下痢、脱力感、関節の痛み、頭痛、顔や手足のむくみ、息苦しい、意識の低下等
播種性血管内凝固症候群(DIC)(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん) 微小血栓による循環不全(腎不全、肺塞栓による呼吸困難・チアノーゼ、ショックなど)、凝固因子・血小板減少や線溶活性化による出血症状(粘膜出血、止血不良、脳出血、皮膚出血性、血尿、消化管出血など)、中枢神経症状(意識障害、痙攣、昏睡)、臓器虚血(多臓器不全)等
腸管穿孔 重度の広汎な腹痛、圧痛、腹膜炎の徴候を伴う急性腹症、疼痛、肩の疼痛に放散、悪心、嘔吐、食欲不振、腸雑音の減弱・消失等
間質性肺炎 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多、動悸、息切れ等
肺線維症(肺胞炎) 息切れ、呼吸困難、空咳、発熱、倦怠感、食欲不振、疲れやすい、チアノーゼ等
心不全 息苦しい、むくみ、頻尿、起座呼吸(起き上がって深く急な呼吸)、疲労感、体力の低下、眠気、錯乱、見当識障害、足、足首、脚、肝臓、腹部に体液がたまり腫れる・むくみが出る、吐き気、食欲不振、息切れ、あえぐ、喘鳴(ぜんめい)等
胃腸出血(消化管出血) 嘔吐物に血が混入(吐血)、急な腹痛、便が黒い(血便)、貧血、疲れやすい、顔面蒼白、脈が速い、低血圧、尿量の減少、手足が汗ばむ・冷たくなる、意識混濁、見当識障害、眠気、ショック状態等
虚血性大腸炎 急な腹痛、下血、発熱、悪心、嘔吐、腹膜刺激症状等
急性膵炎 上腹部痛(みぞおち、左上腹部、背部等)、吐き気、嘔吐、腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、食欲不振、発熱、意識障害、ショック状態(蒼白、血圧低下など)、押されると痛みが強い(圧痛)、押されると腹部が硬くなる(筋性防御(きんせいぼうぎょ))等
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群もしくはToxic Epidermal Necrolysis:TEN) 皮膚が赤くなる、皮膚が焼けるように痛む、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、発熱、口内が荒れる等
大腸炎 下腹部の痛み、下痢、頻繁な水様便、血便等
イレウス(腸閉塞症) 便秘、腹痛、増強する腹部膨満感、吐き気、悪心、嘔吐、排便・排ガスの途絶、間欠的または持続的な痛み等
急性呼吸促迫症候群(きゅうせいこきゅうそくはくしょうこうぐん:ARDS) 頻呼吸、1回換気量の低下、肺水腫、胸部X線上著明な滲出液、重い呼吸不全等
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱、陰部の痛み、関節の痛み、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、発熱、皮膚がまだら模様に赤くなる、皮膚に水脹れが出る(各種皮膚障害)、中央にむくみをともなった赤い斑点、赤い発疹、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、食欲不振、からだがだるい等
多形紅斑(たけいこうはん) 手の甲・足の甲・肘・膝などの四肢伸側に左右対称に多発する円形の紅斑、発熱、痛み等
体液貯留 足首や手の腫脹、体重の増加、胸水・腹水・心嚢水の増加等
心筋梗塞 突然の左前胸部圧迫感、狭心痛、嘔吐、吐き気、ショック状態等
心タンポナーデ 血圧(動脈圧)低下、静脈圧上昇、心音微弱、心拍出量の低下、全身倦怠感(けんたいかん)、脈拍増加、呼吸困難、肝臓の腫れ、下肢のむくみ、指先のチアノーゼ(血色が悪くなる)、ショック状態等
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH) 食欲不振、嘔気、嘔吐、全身けん怠感、むくみのない短期間の体重増加、頭痛、吐き気、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、意識障害、主に高齢の方に低ナトリウム血症、痙攣等
肺水腫 急激な呼吸困難、胸部痛、嘔吐、不整脈、下痢、発汗、ピンク又は白い泡状の痰
浮腫 顔がはれぼったい、靴が窮屈、ズボンが窮屈、足や手や顔などがむくみ膨らんだり腫れぼったい感じ等
静脈血栓塞栓症 手足のマヒ・しびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れ、肺塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞、動悸、冷汗、チアノーゼ、静脈怒脹、血圧低下、意識消失、心肺停止、痺れ、皮膚変色、血栓より遠位の浮腫、皮膚の炎症、血栓性静脈炎、慢性的な息切れ、足首や脚のむくみ、脱力感、意識消失等(俗名エコノミークラス症候群、ロングフライト血栓症)等
感染症 敗血症、肺炎等の重篤な感染症、風邪などが酷くなる、発熱、喉の痛み、口内炎、咳・痰が出る、水脹れ、発疹、頻尿等
その他 重篤な口内炎等の粘膜炎、血管炎、末梢神経障害、四肢の脱力感等の末梢性運動障害、Radiation Recall現象等

上記の様な症状が現れた場合には、速やかに医師か薬剤師と相談してください。

重大な副作用は、滅多にありませんが、投薬開始時の初期症状には、注意が必要です。

その他のものとしては、以下の様な事項が想定されております。
その他の副作用一覧
部位名称等 副作用名称、症状
精神・神経系 しびれ感、頭痛、意識喪失、見当識障害、めまい、昏迷、難聴、耳鳴、味覚異常、羞明、視力異常、不眠、傾眠、視覚障害(閃光、光のちらつき、暗点)
神経・筋症状 筋肉痛、関節痛、筋力低下・脱力感注)、背部痛、痙攣
消化器 食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、口内炎、便潜血、腹痛、腹部膨満感、便秘、舌炎、口内乾燥、胃・十二指腸潰瘍、食道炎、しゃっくり
循環器 血圧低下、血圧上昇、不整脈、動悸、頻脈等
呼吸器 呼吸困難、咽頭炎、咳嗽、血痰
過敏症 アレルギー、発赤、そう痒感、潮紅
皮膚 脱毛、皮膚エリテマトーデス、強皮症様変化、皮疹、色素沈着、爪疾患(爪剥離、変形、変色、爪下出血、爪下血腫、爪下膿瘍等)、皮膚剥離、手足症候群
肝臓 AST(GOT)・ALT(GPT)・Al‐P・LDH上昇、γ‐GTP上昇、総ビリルビン上昇
腎臓 蛋白尿、K・Na・Cl・Caの異常、BUN上昇、クレアチニン上昇、尿糖、血尿、乏尿、頻尿
その他 全身倦怠感、脱水、流涙、結膜炎、涙道閉塞、発熱、浮腫、総蛋白・アルブミン異常、A/G比・CK(CPK)異常、静脈炎、疼痛、胸痛、全身痛、熱感、腰痛、鼻出血、ほてり
過量投与 骨髄抑制、末梢性神経毒性及び粘膜炎

上記は、あくまで主要なものであり、全てを記載したものではありません。

上記以外でも、気になる症状がある場合には、医師か薬剤師と相談してください。

また、持病やアレルギーのある方は、本薬との併用に際して医師か薬剤師と相談してください。

以下の方は、基本的に禁忌です。

・重篤な骨髄抑制のある方
・感染症を合併している方
・発熱を有し感染症の疑われる方
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
・ポリソルベート80含有製剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある方
・妊婦又は妊娠している可能性のある方


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