グリベック副作用

抗悪性腫瘍剤グリベック錠の主な副作用には、対象疾患により以下の症状が報告されております。

慢性骨髄性白血病の方
嘔気、好中球減少症、血小板減少症、白血球減少症、発疹、貧血、嘔吐、眼瞼浮腫、筋痙攣(きんけいれん)、リンパ球減少、好中球数減少、ヘモグロビン減少、血小板数減少、血清リン低下、血糖値上昇、血清カリウム減少、ALP上昇、表在性浮腫、筋痙直、下痢、皮膚炎(発疹を含む)、体重増加、疲労感、関節痛、腹痛、消化不良、筋骨格痛、筋肉痛、頭痛、出血(中枢神経系の出血、消化管出血等)、体液貯留(胸水、肺水腫、腹水、心膜滲出液、うっ血性心不全等。

KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍の方
嘔気、下痢、顔面浮腫、眼瞼浮腫、皮膚炎、下肢浮腫、嘔吐、けん怠感、食欲不振、浮腫、好中球減少症、リンパ球数減少、好中球数減少、白血球数減少、ヘモグロビン減少、血小板数減少、血中リン減少、血中アルブミン減少、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、血中カリウム減少、眼窩周囲浮腫、筋痙攣(きんけいれん)、疲労、発疹、鼓腸放屁、頭痛、腹痛等。

フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の方
悪心、嘔吐、発疹、好中球減少症、血小板減少症、顔面浮腫、浮腫、けん怠感、ALP上昇、総ビリルビン上昇、上腹部痛、貧血、白血球減少症、発熱、食欲不振、白血球数減少、リンパ球数減少、ヘモグロビン減少、好中球数減少、血小板数減少、血清リン低下、血清カリウム低下、AST(GOT)上昇、ALP上昇、血清カルシウム低下、ALT(GPT)上昇、血清アルブミン低下、クレアチニン上昇、末梢性浮腫、眼窩周囲浮腫、筋痙攣(きんけいれん)、下痢

グリベック錠の副作用としては、以下の様な項目や症状等が想定されています。

重大・重篤なレベルのものとしては、以下の様な事項の症状が想定されております。
重大な副作用一覧
副作用名称 想定症状など
骨髄抑制 汎血球減少、貧血、白血球減少、血小板減少、出血、発熱、悪寒、口中の白い斑点、点状出血(手足の赤い点)、紫斑、鼻血、歯茎の出血、水便、脱力感等
出血 脳出血等の臓器内出血、粘膜出血、消化管出血、肺出血、脳出血、眼底出血、歯ぐき出血、鼻血、血痰、皮下出血(血豆・青あざ)、血尿、吐血、血便(赤〜黒い便)等
消化管穿孔(しょうかかんせんこう) 急激な腹痛、ショック症状、遊離ガスが横隔膜直下に溜まる、腹膜炎、大量出血、敗血症等
腫瘍出血 下血、吐血、貧血、腹痛、腹部膨満感、嘔気・嘔吐、ヘモグロビン値(Hb)の低下等
肝機能障害 倦怠感の増大、食欲低下、呼吸困難、吐き気、常に眠い、黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇等
黄疸 嘔気・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒等、皮膚・白目が黄色くなる、下痢、全身の脱力感、38〜39度の発熱、ぶつぶつ状の発疹等
肝不全 黄疸、出血傾向、腹水、脱力感、肝性脳症、全身の健康状態の悪化、吐き気や食欲不振等
重篤な体液貯留 急激な体重の増加、呼吸困難、胸水、肺水腫、腹水、心膜滲出液、心タンポナーデ、うっ血性心不全等
感染症 敗血症、肺炎等の重篤な感染症、風邪などが酷くなる、発熱、喉の痛み、口内炎、咳・痰が出る、水脹れ、発疹、頻尿等
重篤な腎障害 全身倦怠感、食欲不振、悪心、浮腫、高血圧、頭重感、BUN値・クレアチニン値等の上昇、ネフローゼ症候群、急性腎不全、尿毒症、水腎症等
間質性肺炎 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多、動悸、息切れ等
重篤な皮膚症状 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)、ウェーバー・クリスチャン症候群、SLE様症状、強皮症、天疱そう様病変等
ショック 血圧低下に伴う失神、意識消失、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、冷感、嘔吐、顔が赤くなる、痒み、蕁麻疹(じんましん)、しびれ、動悸、息切れ等
アナフィラキシー様症状 紅斑、悪寒、口腔咽頭浮腫、口内の違和感、かゆみ、くしゃみ、顔面紅潮、熱感、吐き気、嘔吐、尿意、便意、そう痒感、全身発赤、顔面・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下、喘鳴、血管浮腫、不快感、眩暈、耳鳴、発汗等
心膜炎 咳や呼吸で胸痛が増強、呼吸困難、発熱等
脳浮腫 力や感覚の喪失、眠気、意識不明、脳嵌入現象、脳幹の圧迫等
頭蓋内圧上昇 頭痛、吐き気、嘔吐、吐き戻す、痙攣(けいれん)、意識もうろう、意識喪失等
麻痺性イレウス 強い腹痛、吐き気、吐く、ひどい便秘、おなかが膨れる等
血栓症 手足のマヒ・しびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れ等
深部静脈血栓症 皮膚の発赤、胸の痛み、ふくらはぎの腫れ・痛み・圧痛・熱感、足首・脚・太ももの腫れ等
塞栓症 肺塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞、呼吸困難、胸痛、動悸、冷汗、チアノーゼ、静脈怒脹、血圧低下、意識消失、心肺停止等
肺塞栓症 突然起こる息切れ、呼吸が速い、落ち着かない、鋭い胸の痛み、めまい、失神、痙攣(けいれん)、不整脈、血痰、発熱、足首や脚のむくみ、脱力感、チアノーゼ等
横紋筋融解症 手足肩を中心とした筋肉痛・こわばり、手足のしびれ、赤褐色の尿、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等、急激な腎機能悪化を伴う
腫瘍崩壊症候群(Tumor lysis syndrome:TLS) 嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振、倦怠感、嗜眠傾向、浮腫、心不全、不整脈、テタニー、失神、体重・尿量・電解質等の異常等

上記の様な症状が現れた場合には、速やかに医師か薬剤師と相談してください。

重大な副作用は、滅多にありませんが、投薬開始時の初期症状には、注意が必要です。

その他のものとしては、以下の様な事項が想定されております。
その他の副作用一覧
部位名称等 副作用名称、症状
皮膚 挫創、乾癬悪化、水疱性皮疹、血管浮腫、好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet病)、苔癬様角化症、扁平苔癬、点状出血、斑状出血、手足症候群、発疹、紅斑、脱毛、湿疹、そう痒、角化症、頭皮痛、疣贅、口唇炎、口唇ヘルペス、蕁麻疹、帯状疱疹、爪の障害、色素沈着障害、皮膚乾燥、紫斑、皮膚色素脱失、光線過敏性反応
精神神経系 リビドー減退、錯乱、痙攣発作、失神、頭痛、感覚減退、錯感覚、めまい、回転性眩暈、末梢神経障害、うつ病、不安、片頭痛、記憶障害、不眠、頭重感、傾眠
網膜出血、眼刺激、眼乾燥、黄斑浮腫、乳頭浮腫、緑内障、硝子体出血、流涙増加、眼のそう痒感、結膜炎、結膜下出血、霧視、眼充血
筋・骨格系 坐骨神経痛、関節炎、筋痙攣、関節痛、筋肉痛、骨痛、関節・筋のこわばり、筋痙直、腰痛、関節腫脹、筋力低下
消化器 逆流性食道炎、大腸炎、おくび、胃腸炎、食欲亢進、憩室炎、嚥下障害、嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振、心窩部痛、腹部膨満、腹部不快感、腹痛、鼓腸放屁、味覚異常、口内炎、口渇、膵炎、胃潰瘍、口腔アフタ、歯周炎、胃炎、血便、便秘、消化不良、胸やけ
肝臓 LDH低下、LDH、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP上昇、総ビリルビン上昇
呼吸器 咳嗽、急性上気道炎、鼻・咽頭炎、呼吸困難、咽喉頭痛、鼻出血
血液 リンパ球減少症、好酸球増多症、白血球増多、血小板増多
血管障害 末梢冷感、血腫、舌血腫、潮紅、血圧上昇、血圧低下
腎臓 腎臓痛、頻尿、尿沈渣異常、尿中ウロビリノーゲン増加、BUN上昇、血清クレアチニン上昇、尿潜血、尿蛋白
浮腫 表在性浮腫(眼窩周囲浮腫、顔面浮腫、眼瞼浮腫等)、下肢浮腫、全身浮腫、男性性器浮腫
生殖器 乳房腫大、乳頭痛、性的不能、女性化乳房、月経過多
臨床検査 ACTH上昇、TSH上昇、血清リン上昇、血清総蛋白上昇、プロトロンビン時間の短縮、APTTの延長、フィブリノーゲン増加、FDP上昇、低マグネシウム血症、血清カリウム低下、血清リン低下、血清アルブミン低下、血清カリウム上昇、血清ナトリウム低下、血清カルシウム低下、尿酸値上昇又は低下、血糖値上昇、CK(CPK)上昇、フィブリノーゲン減少、CRP上昇、プロトロンビン時間の延長、血糖値低下、血清総蛋白低下、血中アミラーゼ上昇
その他 頻脈、痛風、悪寒、寝汗、けん怠感、発熱、疲労感、体重増加、発汗、体重減少、脱水、耳鳴、疼痛、脱力(感)、難聴、胸痛、動悸
過量投与 悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲減退、発疹、紅斑、浮腫、疲労、筋痙縮、筋肉痛、脱力、腹水、頭痛、発熱、血清クレアチニン上昇、トランスアミナーゼ上昇、ビリルビン上昇、CK(CPK)上昇、好中球数減少、血小板減少症、汎血球減少症

上記は、あくまで主要なものであり、全てを記載したものではありません。

上記以外でも、気になる症状がある場合には、医師か薬剤師と相談してください。

また、持病やアレルギーのある方は、本薬との併用に際して医師か薬剤師と相談してください。

以下の方は、基本的に禁忌です。

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
・妊婦又は妊娠している可能性のある方

本剤は、がん化学療法用の薬です。ご利用される方は、医師から本剤についての説明を聞き、その有効性と危険性を十分ご認識の上、ご利用ください。

本剤との関係は定かではありませんが、海外から入った情報によりますと、本剤投与中に骨壊死が発現したと言う報告があります。

海外からの情報では、レボチロキシン補充療法を受けている甲状腺摘出の方が、本剤投与中に甲状腺機能低下症が発現したと言う報告があります。

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