日本脳炎ワクチン副作用(副反応)

トピックス
日本脳炎の予防接種は、2004年(平成16年)に女子中学生が旧日本脳炎ワクチン接種後、重症の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を発症したため、2005年(平成17年)の5月30日から2010年(平成22年)までの間、原則中止していました。

新ワクチンの開発に伴い、2009年6月より、現在の乾燥ワクチンが使われております。新ワクチンは、旧ワクチンと比較して、副反応(副作用)が少ないと云われています。
実際に新ワクチンを接種した結果、主に発熱や熱性けいれん等の症状が報告されており、新ワクチンとの因果関係が話題になっております。

2012年7月と10月には、接種後の死亡例が報告されており、新ワクチンとの因果関係が慎重に調査されています。
因みに7月のケースは、接種後、急性脳症を発症し約1週間後に死亡、10月のケースは、接種後、間もなく死亡しており、急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックの可能性が報告されています。



日本脳炎ワクチンであるジェービックV、エンセバック皮下注用等(乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン)の主な副作用(副反応)には、発熱、咳嗽、鼻漏、注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位疼痛、注射部位そう痒感、頭痛、鼻出血、倦怠感などがあります。

日本脳炎ワクチンの副作用(副反応)としては、以下の様な副作用が想定されています。

重大な副作用(副反応)は、以下の通りです。
重大な副作用一覧
副作用名称 想定症状など
ショック 血圧低下に伴う失神、意識消失、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、冷感、嘔吐、顔が赤くなる、痒み、蕁麻疹(じんましん)、しびれ、動悸、息切れ等
アナフィラキシー様症状 紅斑、悪寒、口腔咽頭浮腫、口内の違和感、かゆみ、くしゃみ、顔面紅潮、熱感、吐き気、嘔吐、尿意、便意、そう痒感、全身発赤、顔面・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下、喘鳴、血管浮腫、不快感、眩暈、耳鳴、発汗等
急性散在性脳脊髄炎(ADEM) 発熱、全身倦怠感、頭痛、悪心、嘔吐等、後に、髄膜刺激症状(頭痛、悪心、嘔吐、項部硬直、発熱、Kernig徴候等)、片麻痺、失語、運動失調、四肢麻痺、昏睡等
痙攣(けいれん) 全身の筋肉がピクピクする、しびれ、チクチクと痛む、瞬間うとうとと眠くなる、失神、錯乱、脱力、膀胱の調節機能の消失、興奮状態が継続する、怒りっぽい、ぼんやりする、よろめく、吐き気、めまい、下肢コントロール不能、筋肉の付随現象等
血小板減少性紫斑病 皮膚や粘膜等の出血症状・紫斑(しはん)・青アザ、歯ぐきからの出血、鼻血、黒い便、血尿、月経過多等
脳炎・脳症 発熱、吐き気、嘔吐、意識障害、言語障害、記憶障害、ふらつき、痙攣(けいれん)、反応鈍化、昏睡等

上記の様な症状が現れた場合には、速やかに医師か薬剤師と相談してください。

重大な副作用は、滅多にありませんが、投薬開始時の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用(副反応)は、以下の通りです。
その他の副作用一覧
部位名称等 副作用名称、症状
局所症状(注射部位) 紅斑、腫脹、疼痛、硬結、そう痒感、発疹、蕁麻疹、内出血、出血
精神神経系 頭痛、気分変化
呼吸器 咳嗽、鼻漏、咽頭紅斑、咽喉頭疼痛、発声障害、鼻出血、鼻閉、くしゃみ、喘鳴
消化器 嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛
皮膚 発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒症
その他 発熱、倦怠感、悪寒、四肢痛、関節痛、異常感

上記の副作用(副反応)は、あくまで主要なものであり、全ての副作用を記載したものではありません。

上記以外でも、気になる症状がある場合には、医師か薬剤師と相談してください。

また、持病やアレルギーのある方は、本薬との併用に際して医師か薬剤師と相談してください。

以下の方は、基本的に禁忌(接種不適当者)です。

・本剤の成分によりアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方
・明らかな発熱を呈している方
・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
・上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方



アドバイス
日本脳炎ワクチンの予防接種につきましては、接種後に死亡した例が報道され、子供にワクチンを受けさせるかどうか、お悩みの方も多いと思われます。

この辺りにつきましては、個々人により様々な意見があり、判断が分かれる所ですので、これが一番良いと断言は出来ません。

まず、知っておく必要があるのは、日本脳炎のワクチンについては、世界的なレベルで見た場合、接種する考え方が大多数であることです。
つまり、例えば百万回に1回の割合で、重い副作用や死亡例が出る程度であれば、接種しないで罹患するリスクを抱えるよりも、遥かに安全であると考えられております。

医療に完璧はありません。薬や予防接種について、何らかの副作用・副反応は、必ずあります。
なので、各々の生活や価値観、及び、個々人の状況に応じて、総合的に判断して接種するかどうか、最終的に判断することになります。

不安な点や不明点につきましては、医師や薬剤師や諸々の関係機関と相談し、十分納得した上で判断しましょう。

例えば、予防接種を受ける医療機関に、アナフィラキシーショックを発症した場合、適切な処置を行える設備等は、整っているのかどうか等。

又、現在では、薬や予防接種による、副作用・副反応に対する公的な救済制度もありますので、万が一の際には、ある程度の救済を受けることが可能です。

日本脳炎だけではなく、他の予防接種につきましても、上記のことを踏まえて、ご判断ください。





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