ルナベルによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/12

ルナベルとは

ルナベル(LUNABELL)とは、女性特有の症状である生理を軽減し痛みを緩和するお薬です。

月経困難症に伴う生理痛等(下腹部痛、腰痛、吐き気、頭痛等)の症状を軽減させる作用があります。

主成分の、ノルエチステロン(Norethisterone)とエチニルエストラジオール(Ethinylestradiol)は、女性ホルモンで、2種類のホルモンにより、性腺刺激ホルモンの分泌抑制と、卵胞からの持続的卵胞ホルモン分泌抑制が行われ、結果として生理が軽くなり、破綻出血の発現も抑制されると報告されております。

適用症は以下の通りです。

・月経困難症

ルナベルは、ノーベルファーマ株式会社により、製造・販売されています。

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主な副作用

ルナベルの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

(子宮内膜症に伴う月経困難症の方)
・不正性器出血がおこる
・悪心がある
・頭痛がする
・希発月経になる
・上腹部痛がある
・乳房不快感がある
・月経過多になる

(機能性月経困難症の方)
・不正性器出血がおこる
・悪心がある
・希発月経になる
・下腹部痛がある
・上腹部痛がある
・頭痛がする
・過少月経になる
・頻発月経になる
・血中フィブリノゲンが増加する

重大な副作用として、血栓症があります。

命に係わることもありますので、下記の血栓症の症状に留意し、症状が現れた場合、速やかに医師と相談してください。

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
血栓症 手足がマヒする・痺れる(しびれる)、しゃべりにくい、胸が痛む、呼吸困難になる、片方の足が急激に痛んだり腫れたりする等
アナフィラキシー様症状 紅斑がでる、悪寒がする、口腔咽頭浮腫ができる、口内に違和感がある、かゆみがある、くしゃみする、顔面が紅潮する、熱感がある、吐き気がする、嘔吐する、尿意がある、便意がある、そう痒感がある、全身発赤する、顔面や喉頭に浮腫ができる、呼吸困難になる、血圧が低下する、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、血管浮腫ができる、不快感がある、眩暈(めまい)がする、耳鳴がする、発汗する等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹ができる
霧視になる、網膜血流障害による視力障害が発現する
肝臓 肝機能異常になる、γ-GTP値が増加する、黄疸がでる
電解質代謝 浮腫ができる、体重が増加する、体重が減少する
卵巣 出血性卵巣嚢胞になる、卵巣新生物ができる、卵巣嚢胞になる
子宮 不正性器出血がおこる(破綻出血、点状出血)、希発月経になる、月経過多になる、下腹部痛がある、無月経になる、不規則月経になる、性器分泌物がでる、過少月経になる、頻発月経になる、子宮肥大になる、消退出血不規則になる、性交出血がおこる、経血量が変化する、帯下が増加する
乳房 乳房痛がする、乳房不快感がある、乳房緊満感がある、乳房萎縮になる、乳汁分泌する、乳癌になる、乳房腫瘤になる、乳汁漏出症になる、線維嚢胞性乳腺疾患になる、乳腺線維腺腫になる
循環器 血圧が上昇する、動悸がする、ほてりがある、末梢性浮腫になる
消化器 悪心がある、上腹部痛がある、嘔吐する、腹痛がある、下痢する、便秘する、胃痛がある、腹部膨満がある、鼓腸がある、胃炎になる、過敏性腸症候群になる、胃不快感がある、歯痛がする、排便痛がある、消化管運動障害になる、口内炎ができる、食欲不振になる、痔核ができる、腸炎になる、口が渇く、胸やけがする、食欲が亢進する
精神神経系 頭痛がする、倦怠感がある、眩暈(めまい)がする、イライラ感がある、ふらつく、感覚が鈍麻する、嗅覚錯誤になる、眠気がある、不眠症になる、感情が不安定になる、顔面感覚が鈍麻する、片頭痛がおこる、神経過敏になる、頭重になる
皮膚 ざ瘡(にきび)ができる、湿疹ができる、蕁麻疹(じんましん)がでる、多形紅斑ができる、アトピー性皮膚炎になる、女性陰部そう痒症になる、アレルギー性鼻炎になる、紅斑ができる、そう痒症になる、色素沈着が発現する
その他 性欲が減退する、下肢痛がある、熱感がある、胸部不快感がある、異常感がある、炎症性疼痛がある、背部痛がある、貧血になる、帯状疱疹ができる、副鼻腔炎になる、尿道炎になる、齲歯ができる、カンジダ症になる、鼻炎になる、髄膜腫ができる、発熱する、プラスミノーゲンが増加する、血中トリグリセリドが増加する、血中コレステロールが増加する、血中フィブリノゲンが増加する、血中鉄が減少する、血小板数が増加する、尿中蛋白が陽性になる、高脂血症になる、しびれ感がある

 

ルナベルについて

本剤は、低用量ピルと呼ばれるEP配合剤です。但し、本剤を避妊目的で使用しないでください。

本剤に含まれるエチニルエストラジオールは、不正子宮出血の軽減に役立ちますが、利用する用量や利用期間が長かったりすると、血栓症や乳癌のリスクが高くなる傾向が報告されております。

血栓症は、場合によっては命に係わるため、そのリスクは、なるべく低減させる必要があります。

そのため、通常、最初に利用されるのは、超低用量EP配合剤です。

大部分の方は、超低用量EP配合剤を利用することで、効果を得られます。

但し、一部の方に不正子宮出血がみられる場合がありますので、その場合には、低用量のEP配合剤を利用することになります。

血栓症のリスク低減のためにも、喫煙(たばこ)は控え、身体を動かし、水分を多めに取る様にしてください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
・妊婦又は妊娠している可能性のある方
・授乳婦の方
・エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある方
・診断の確定していない異常性器出血のある方
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある方
・35歳以上で1日15本以上の喫煙する方
・前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛のある方
・肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の方
・血管病変を伴う糖尿病の方(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)
・血栓性素因のある方
・抗リン脂質抗体症候群の方
・手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の方
・重篤な肝障害のある方
・肝腫瘍のある方
・脂質代謝異常のある方
・高血圧のある方
・耳硬化症の方
・妊娠中に黄疸、持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある方
・骨成長が終了していない可能性がある方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・子宮筋腫のある方
・40歳以上の方
・乳癌の既往歴のある方
・乳癌の家族歴又は乳房に結節のある方
・喫煙する方
・肥満の方
・血栓症の家族歴を持つ方
・前兆を伴わない片頭痛のある方
・心臓弁膜症の方
・軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある方
・耐糖能の低下している方
・ポルフィリン症の方
・肝障害のある方
・心疾患、又はその既往歴のある方
・腎疾患、又はその既往歴のある方
・てんかんのある方
・テタニーのある方

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり注意が必要なので、医師とご相談ください。

・副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン等)
・三環系抗うつ剤(イミプラミン等)
・セレギリン塩酸塩
・シクロスポリン
・テオフィリン
・オメプラゾール
・リファンピシン
・バルビツール酸系製剤(フェノバルビタール等)
・ヒダントイン系製剤(フェニトインナトリウム等)
・カルバマゼピン
・グリセオフルビン
・ボセンタン
・モダフィニル
・トピラマート
・テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン等)
・ペニシリン系抗生物質(アンピシリン等)
・テルビナフィン塩酸塩
・Gn-RH誘導体(ブセレリン酢酸塩等)
・血糖降下剤(
 インスリン製剤
 スルフォニル尿素系製剤
 スルフォンアミド系製剤
 ビグアナイド系製剤等)
・ラモトリギン
・モルヒネ
・サリチル酸
・テラプレビル
・HIV感染症治療薬
・HIVプロテアーゼ阻害剤(
 ネルフィナビルメシル酸塩
 リトナビル
 ダルナビル)
・非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(ネビラピン)
・エトラビリン
・フルコナゾール
・ボリコナゾール
・アセトアミノフェン
・セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

 

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