ワーファリンによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/11

ワーファリンとは

ワーファリン(Warfarin)とは、血液をサラサラにするお薬です。

主に血栓症の治療に利用されています。

血管内で血栓ができると、血管を塞いてしまいます。詰まった箇所により、脳卒中(脳梗塞)や心筋梗塞等を引き起こす場合があります。

本剤の主成分は、ワルファリンカリウム(Warfarin Potassium)で、血液の凝固に必要なビタミンKの働きを抑制することにより、血液が固まりにくくする作用があります。

この作用により、抗凝固薬、抗凝血薬、血液凝固阻止薬、ビタミンK拮抗薬、経口抗凝固剤等と呼ばれています。

適応症は以下の通りです。

・以下の血栓塞栓症の治療、及び、予防
  ・静脈血栓症
  ・心筋梗塞症
  ・肺塞栓症
  ・脳塞栓症
  ・緩徐に進行する脳血栓症等

本剤は、エーザイ株式会社により製造販売されています。

また同様の成分のお薬が、ワルファリンK等の名称で各社から製造販売されています。

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主な副作用

ワーファリンの主な副作用は、以下の通りです。

・発疹ができる
・そう痒症になる
・脱毛がみられる
・紅斑ができる
・蕁麻疹(じんましん)がでる
・皮膚炎になる
・発熱する

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
出血 脳出血等の臓器内出血がみられる、粘膜出血がみられる、消化管出血がみられる、肺出血がみられる、脳出血がみられる、眼底出血がみられる、歯ぐき出血がみられる、鼻血がでる、血痰がでる、皮下出血がみられる(血豆・青あざ等)、血尿がでる、吐血する、血便がでる(赤~黒い便)等
皮膚壊死 胸・尻・腿等の痛みがある、皮膚が赤紫になる等
肝機能障害 倦怠感が増大する、食欲が低下する、呼吸困難になる、吐き気がする、常に眠い状態、黄疸がでる、AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、Al‐P値が上昇する、総ビリルビン値が上昇する等
黄疸 嘔気がある、嘔吐する、食欲不振になる、倦怠感がある、そう痒等がみられる、皮膚や白目が黄色くなる、下痢する、全身の脱力感がある、38度から39度の発熱がある、ブツブツ状の発疹ができる等

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹ができる、そう痒症になる、紅斑ができる、蕁麻疹(じんましん)がでる、皮膚炎になる、発熱する
肝臓 AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する等
消化器 悪心がある、嘔吐する、下痢する
皮膚 脱毛がみられる
その他 抗甲状腺作用がみられる
過量投与 出血する

 

ワーファリンについて

血液をサラサラにするためのお薬ですが、効きすぎると逆に出血が止まらないと言うことも発生しますので、利用に際しては、医師の指示を守る様にしてください。

持病やアレルギーのある方は事前に医師とご相談ください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・出血している方
・出血する可能性のある方
・重篤な肝障害のある方
・重篤な腎障害のある方
・中枢神経系の手術後、日の浅い方
・外傷後、日の浅い方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・骨粗鬆症治療用ビタミンK2(メナテトレノン)製剤を投与中の方
・イグラチモドを投与中の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・肝炎の方
・下痢している方
・脂肪の吸収不全のある方
・慢性アルコール中毒の方
・うっ血性心不全の方
・敗血症の方
・遷延性低血圧症のある方
・新生児のビタミンK欠乏時等
・ビタミンK摂取時等
・悪性腫瘍のある方
・産褥婦の方
・甲状腺機能亢進症の方
・甲状腺機能低下症の方
・新生児

以下の薬剤との併用は、基本的に禁忌です。ご利用されている方は、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤
  ・メナテトレノン
    ・グラケー

・イグラチモド
  ・ケアラム
  ・コルベット

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、飲み合わせにつきまして医師とご相談ください。

・催眠鎮静剤
  ・バルビツール酸系及びチオバルビツール酸系薬剤
    ・フェノバルビタール等
  ・抱水クロラール
  ・トリクロホスナトリウム

・抗てんかん剤
  ・カルバマゼピン
  ・プリミドン
  ・フェニトイン
  ・ホスフェニトインナトリウム水和物
  ・エトトイン
  ・バルプロ酸ナトリウム

・解熱鎮痛消炎剤
  ・アセトアミノフェン
  ・セレコキシブ
  ・トラマドール塩酸塩
  ・ブコローム
  ・メロキシカム
  ・ロルノキシカム
  ・アスピリン
  ・イブプロフェン
  ・インドメタシン
  ・インドメタシン ファルネシル
  ・エトドラク
  ・ケトプロフェン
  ・サリチル酸類
  ・ジクロフェナクナトリウム
  ・スリンダク
  ・テノキシカム
  ・ナブメトン
  ・ナプロキセン
  ・ピロキシカム
  ・フルルビプロフェン
  ・メフェナム酸
  ・モフェゾラク
  ・ロキソプロフェンナトリウム水和物等

・精神神経用剤
  ・トラゾドン塩酸塩
  ・メチルフェニデート塩酸塩
  ・三環系抗うつ剤
    ・アミトリプチリン塩酸塩等
  ・パロキセチン塩酸塩水和物
  ・フルボキサミンマレイン酸塩
  ・モノアミン酸化酵素阻害剤

・不整脈用剤
  ・アミオダロン塩酸塩
  ・プロパフェノン塩酸塩
  ・キニジン硫酸塩水和物

・高脂血症用剤
  ・コレスチラミン
  ・シンバスタチン
  ・フルバスタチンナトリウム
  ・ロスバスタチンカルシウム
  ・フィブラート系
    ・ベザフィブラート
  ・フィブラート系
    ・クリノフィブラート
    ・クロフィブラート
    ・フェノフィブラート等
  ・デキストラン硫酸エステルナトリウム

・消化性潰瘍用剤
  ・オメプラゾール
  ・シメチジン

・鎮吐剤
  ・アプレピタント

・ホルモン剤
  ・副腎皮質ホルモン
    ・プレドニゾロン等
  ・甲状腺製剤
    ・レボチロキシンナトリウム水和物等
  ・抗甲状腺製剤
    ・チアマゾール等
  ・グルカゴン
  ・蛋白同化ステロイド
    ・ナンドロロンデカン酸エステル等
  ・ダナゾール
  ・男性ホルモン
    ・メチルテストステロン等

・痔疾用剤
  ・トリベノシド
  ・トリベノシド・リドカイン

・ビタミン剤
  ・ビタミンK及びビタミンK含有製剤
    ・フィトナジオン(ビタミンK1)
    ・メナテトレノン(ビタミンK2)
    ・経腸栄養剤
    ・高カロリー輸液用総合ビタミン剤等

・抗血栓剤
  ・血液凝固阻止剤
    ・ヘパリンナトリウム
    ・ヘパリンカルシウム
    ・低分子量ヘパリン
      ・ダルテパリンナトリウム等
    ・ヘパリノイド
      ・ダナパロイドナトリウム
    ・Xa阻害剤
      ・フォンダパリヌクスナトリウム
      ・エドキサバントシル酸塩水和物
      ・リバーロキサバン
      ・アピキサバン
    ・抗トロンビン剤
      ・アルガトロバン水和物
      ・ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
  ・血小板凝集抑制作用を有する薬剤
    ・アスピリン
    ・イコサペント酸エチル
    ・オザグレルナトリウム
    ・クロピドグレル硫酸塩
    ・サルポグレラート塩酸塩
    ・シロスタゾール
    ・チクロピジン塩酸塩
    ・ベラプロストナトリウム
    ・リマプロストアルファデクス等
  ・血栓溶解剤
    ・ウロキナーゼ
    ・アルテプラーゼ
    ・モンテプラーゼ等
  ・乾燥濃縮人活性化プロテインC
  ・トロンボモデュリン
  ・アルファ
  ・バトロキソビン

・痛風治療剤
  ・アロプリノール
  ・プロベネシド
  ・ベンズブロマロン

・酵素製剤
  ・プロナーゼ
  ・ブロメライン

・糖尿病用剤
  ・スルホニル尿素系糖尿病用剤
    ・グリベンクラミド
    ・グリメピリド
    ・クロルプロパミド
    ・トルブタミド等

・抗リウマチ剤
  ・オーラノフィン
  ・レフルノミド

・抗腫瘍剤
  ・アザチオプリン
  ・メルカプトプリン
  ・タモキシフェンクエン酸塩
  ・トレミフェンクエン酸塩
  ・ゲフィチニブ
  ・エルロチニブ塩酸塩
  ・フルタミド
  ・フルオロウラシル系製剤及びその配合剤
    ・カペシタビン
  ・フルオロウラシル系製剤及びその配合剤
    ・フルオロウラシル
    ・テガフール
    ・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム等
  ・イマチニブメシル酸塩

・アレルギー用薬
  ・ザフィルルカスト
  ・トラニラスト
  ・オザグレル塩酸塩水和物

・抗生物質製剤
  ・アミノグリコシド系
  ・クロラムフェニコール系
  ・セフェム系
  ・テトラサイクリン系
  ・ペニシリン系
  ・マクロライド系
    ・エリスロマイシン
    ・クラリスロマイシン
    ・ロキシスロマイシン
  ・マクロライド系
    ・アジスロマイシン
    ・テリスロマイシン等

・抗結核剤
  ・リファンピシン
  ・アミノサリチル酸類
    ・パラアミノサリチル酸カルシウム水和物等
  ・イソニアジド

・化学療法剤
  ・キノロン系抗菌剤
    ・ナリジクス酸
    ・オフロキサシン
    ・シプロフロキサシン
    ・ノルフロキサシン
    ・レボフロキサシン水和物等
  ・サルファ剤及びその配合剤
    ・スルファメトキサゾール・トリメトプリム
    ・サラゾスルファピリジン等

・抗真菌剤
  ・グリセオフルビン
  ・アゾール系抗真菌剤
    ・イトラコナゾール
    ・フルコナゾール
    ・ボリコナゾール
    ・ミコナゾール等

・抗HIV薬
  ・ネビラピン
  ・サキナビル
  ・サキナビルメシル酸塩
  ・デラビルジンメシル酸塩
  ・ホスアンプレナビルカルシウム水和物
  ・アタザナビル硫酸塩
  ・リトナビル
  ・ロピナビル・リトナビル配合剤

・抗原虫剤
  ・キニーネ塩酸塩水和物
  ・メトロニダゾール

・その他の医薬品
  ・ボセンタン水和物
  ・納豆菌含有製剤
  ・インターフェロン
  ・イプリフラボン

・飲食物
  ・アルコール
  ・セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
  ・ビタミンK含有食品
    ・納豆
    ・クロレラ食品
    ・青汁
    ・上記以外のビタミンK含有食品

 

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