インデラルによる副作用

公開日:  最終更新日:2017/08/11

インデラルとは

インデラル(Inderal)とは、血圧を下げ心臓の負担を軽減させるお薬です。

主成分のプロプラノロール塩酸塩(Propranolol Hydrochloride)は、心臓の交感神経に作用し、心臓の拍動を抑制する効果が期待されます。

この効果により、血圧を下げ、狭心症や頻脈等の不整脈の治療に利用されています。

また、片頭痛にも効果があると言われています。

適応症は以下の通りです。

・本態性高血圧症(軽症〜中等症)
・狭心症
・褐色細胞腫手術時
・期外収縮(上室性、心室性)
・発作性頻拍の予防
・頻拍性心房細動(徐脈効果)
・洞性頻脈
・新鮮心房細動
・発作性心房細動の予防
・片頭痛発作の発症抑制
・右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制

また、以下の症状にも応用される場合があります。

・振戦(手足のふるえ)
・アカシジア(じっとできない、そわそわ感、イライラ感)

本剤は、アストラゼネカ株式会社により製造販売されています。

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主な副作用

インデラルの主な副作用を、症例の報告の多い順に記載すると、以下の通りです。

・徐脈など
・眩暈(めまい)など
・身体がだるい

重大・重篤な副作用

重大・重篤レベルの副作用としては、次の表の症状が想定されます。

重大・重篤レベル副作用リスト
副作用の名称 想定される症状等
うっ血性心不全 心臓の収縮力の低下、血液送出量が低下する、心臓・肺等の静脈のうっ血がみられる、動悸がする、息切れする、就寝中に咳がでる、呼吸困難になる等
徐脈 脈拍数が平均値より低い(1分間に60回以下)、動悸がする、脈が飛ぶ、数秒以上の心臓の停止がみられる等
末梢性虚血(レイノー様症状等) 手足が発作的に冷たくなる、手足が痛い、蒼白になる、虚血症状(チアノーゼなど)がみられる、発赤がみられる等
房室ブロック 軽度の場合は殆ど症状なし。重くなると息切れする、眩暈(めまい)がする、意識がなくなる等
失神を伴う起立性低血圧 眩暈(めまい)がする、ふらつく、易疲労感(疲れやすい)がみられる、動悸がする、視野のかすみがある、眼前暗黒感がある、気が遠くなる、失神する、全身痙攣(けいれん)がおこる等
無顆粒球症 発熱する、咽頭痛がある、倦怠感がある、口内炎ができる等
血小板減少症 手足に赤い点(点状出血)がみられる、あざができる、鼻血がでる、歯茎の出血がみられる等
紫斑病 皮膚や粘膜等の出血症状・紫斑(しはん)・青アザがみられる、歯ぐきからの出血がある、鼻血がでる、黒い便がでる、血尿がでる、月経過多がみられる等
気管支痙攣(きかんしけいれん) 胸がつまる感じがする、喘鳴(ぜんめい)がきこえる、呼吸困難になる等
呼吸困難 息切れする、心臓の脈拍が上がる、胸部の痛みがある、手足が冷たくなる、倦怠感がある等
喘鳴 呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」というような音がする

 
上記の表にある様な症状が現れた場合には、速やかに医師、又は薬剤師へ報告し、対応を相談してください。

重大・重篤な症状を伴う副作用は、通常滅多にあるものではありません。しかし、服用を開始した際の初期症状には、注意が必要です。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下の様な症状が報告・想定されています。

その他の副作用リスト
副作用の部位名称等 副作用の名称、症状
過敏症 発疹ができる等
循環器 低血圧になる、胸内苦悶がある、労作時に息切れする、胸部に不快がある、不安感がある
精神神経系 頭痛がする、眩暈(めまい)がする、ふらふら感がある、眠気がする、不眠になる、幻覚がある、抑うつになる、悪夢を見る、錯乱がみられる、痺れる(しびれる)、気分の変化がある、精神変調がみられる
視力異常がある、霧視がある、涙液分泌減少がみられる
消化器 口が渇く、悪心がある、嘔吐する、食欲不振になる、上腹部不快感がある、腹部痙攣がおこる、便秘になる、下痢する等
肝臓 肝機能異常がみられる(AST(GOT)値が上昇する、ALT(GPT)値が上昇する、Al-P値が上昇する等)
その他 脱力感がある、疲労感がある、筋肉痛がある、可逆的脱毛がみられる、LDH値が上昇する、血中尿素上昇がみられる、血糖値低下がみられる、乾癬様皮疹がみられる、乾癬悪化がみられる、抗核抗体陽性化がみられる、重症筋無力様症状がみられる、重症筋無力症悪化がみられる

 

インデラルについて

本剤は、β遮断薬(ベータブロッカー)系統の代表的なお薬です。

1960年代に開発され、世界的に利用されているお薬です。

尚、急に服用を中断した場合、狭心発作等の症状を起こす場合がありますので、中止する場合には医師とご相談ください。

眩暈(めまい)等をおこす場合がありますので、車の運転や危険を伴う作業等は控えてください。

以下の方は、基本的に禁忌なので、本剤の利用はできません。

・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・気管支喘息、気管支痙攣の可能性のある方
・糖尿病性ケトアシドーシスのある方
・代謝性アシドーシスのあるのある方
・高度又は症状を呈する徐脈、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある方
・心原性ショックの方
・肺高血圧による右心不全のある方
・うっ血性心不全のある方
・低血圧症の方
・長期間絶食状態の方
・重度の末梢循環障害のある方
・未治療の褐色細胞腫の方
・異型狭心症の方
・リザトリプタン安息香酸塩を投与中の方

以下の方は、このお薬を利用する際には注意が必要なので、医師とご相談ください。

・うっ血性心不全の可能性のある方
・甲状腺中毒症の方
・特発性低血糖症の方
・コントロール不十分な糖尿病の方
・絶食状態(手術前後等)の方
・重篤な肝機能障害のある方
・重篤な腎機能障害のある方
・重度でない末梢循環障害のある方(レイノー症候群、間欠性跛行症等)
・徐脈のある方
・房室ブロック(I度)のある方
・高齢の方
・小児等
・妊婦の方
・妊娠している可能性のある方
・授乳中の方

以下の薬剤との併用は、基本的に禁忌です。ご利用されている方は、医師とご相談ください。

・リザトリプタン安息香酸塩
  ・マクサルト

以下の薬剤等と併用する際には相互作用があり、効果が増減したり、副作用を増強したりする可能性があるため、注意が必要なので、医師とご相談ください。

・交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
  ・レセルピン
  ・β遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)等
・血糖降下剤
  ・インスリン
  ・トルブタミド
  ・アセトヘキサミド等
・カルシウム拮抗剤
  ・ベラパミル
  ・ジルチアゼム
  ・ニフェジピン等
・クロニジン
・クラスI抗不整脈剤
  ・ジソピラミド
  ・プロカインアミド
  ・アジマリン等
・クラスIII抗不整脈剤
  ・アミオダロン等
・交感神経刺激剤
  ・アドレナリン等
・麻酔剤
  ・セボフルラン等
・リドカイン
・ジギタリス製剤
・シメチジン
・クロルプロマジン
・ヒドララジン
・麦角アルカロイド
  ・エルゴタミン等
・非ステロイド性抗炎症剤
  ・インドメタシン等
・アルコール
・リファンピシン
・キニジン
・プロパフェノン
・ワルファリン
・フィンゴリモド

 

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